立夏は夏の始まりといわれています。真夏の暑さにはまだ間があり、吹き渡る風が気持ちの良い季節です。
ところで、立夏はいつから始まっていつまで続くのかご存知でしょうか。また、その間にしなければならない特定の行事はあるのでしょうか。
ここでは、立夏について、その時期と行われる行事とを解説します。
立夏はいつのこと?
立夏は二十四節気の1つで、毎年5月初旬から半ばまでの時期のことをいいます。
二十四節気とは1年を春夏秋冬の4つの季節にわけて、それぞれの季節をさらに6等分したものです。もともとは古代中国で使われていた季節ごとの区分が日本に入ってきたもの。
しかし、中国と日本では季節が変化するサイクルが違うため、そのままでは使うことが出来ません。そこで、日本ではそれを自国の季節の変化にあうように改良し、農業に代表される季節ごとの行事を行う目安として使ってきました。
立夏は二十四節気のなかでも夏の始まりを示した言葉なのです。使われるのは、次の小満までの約15日から16日までの期間。ただし、立夏と言うと、その当日のみを指す言葉として使われることも多いようです。
立夏は俳句の季語でもありますが、傍題には夏立つという言葉があり、夏になった当日のを詠んだ句がいくつもみられます。
旅名残り雲のしかかる立夏かな 飯田蛇笏
夏立つや未明にのぼる魚見台 高田蝶衣
立夏に行われる行事にはなにがある?
立夏になったからという理由で行われる行事は特にありません。
その年の豊年を祈願する御田植神事という行事が行われるとされていますが、地域ごとに開催される日時は違っており、立夏だから開催されるというものではないようです。たとえば、5月ではなく6月に行われるところもあれば、2月に開催されるところもあるからです。
この他には、端午の節句がありますが、これとても立夏の行事ではありません。端午の節句は5月5日に子ども(特に男の子)の成長を願って行われる行事です。しかし、立夏とは直接の関係はなく、たまたま節句の日が立夏と重なることがあるというだけのことです。
二十四節気は太陽の動きをもとに定められていますから、毎年同じ日ではありません。立夏となる日にちでいえば5月5日という年もあれば5月6日という日もあるからです。
立夏の期間に行われる行事ということであれば、母の日があります。母親の苦労をねぎらい感謝を表す日である母の日は毎年5月の第2日曜日。こちらも立夏との関係は直接はありませんが、母の日の贈り物として定番とされるカーネーションの最盛期が5月ということから初夏の行事として私たちの暮らしに根付いています。
まとめ
立夏は季節の変化の目安とされる二十四節気の1つです。この日から夏の始まりとされますが、本格的な夏にはまだ間があり、ときによっては肌寒ささえ感じられる時期でもあります。しかし、日を追うごとに陽が長くなり暑さも増して着る服も夏服に変わっていきます。
立夏とは、静から動へと変わりゆく季節ということができるでしょう。