季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

立秋とは何か?二十四節気を解説!

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立秋と聞くと、何やら涼しげな風が吹いてきそうな気持がしますが、実際には暑い最中です。しかも1年のうちでもっとも暑いとされる大暑の次にあたる季節なので、涼しげな風など感じることはできない、という方も多いことでしょう。

 

ただ、見方によってはうだるような暑さのなかに、秋の風情を感じることができるのも立秋の時期の特色です。なかには、空の色や陽の光などから真夏のギラギラした感じが薄らいでいる感じをもつ方がいるかもしれません。

 

ここでは、そんな立秋について、意味や時期、さらに行事などを解説します。

 

立秋の意味と時期

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立秋二十四節気の1つで、秋の部の最初にあたる時節をいいます。二十四節気とは太陽の動きをもとに作られ、農作業の指標として使われてきた暦です。1年を春夏秋冬の4つに分け、それぞれの季節をさらに6つに区分して作られています。

 

秋の部は、立秋処暑、白露、秋分寒露霜降の6つから成り、立秋は1番目にあたる時節なので、暦のうえではこの日から秋となるのです。

 

ちなみに、立秋は秋になったその日をさす使い方が一般的です。しかし、時期としては二十四節気の次の処暑になる前日までが立秋となります。

 

具体的な時期は、毎年8月7日頃から8月22日頃とされますが、明確な日付けが決まっているわけではありません。二十四節気は太陽の動きをもとに作られているので、年によって立秋とされる時期が変わってくるからです。

 

2024年の立秋は、8月7日から8月21日までとなります。

 

立秋を過ぎても暑さはさほど変わりません。むしろ気温が高い日のほうが多いようです。気象庁が公開している月ごとの平均気温をみても、もっとも高い月は8月となっています。

 

7月の平均気温は8月の次に高く、続いて9月という順番です。立秋の時期に気温がもっとも高くなり徐々に低くなっていくというのが毎年の傾向のようです。

 

なお、立秋という言葉には暑さの頂点を極めるという意味もあります。大暑から一足飛びに涼しくなるという意味ではなく、激しい暑さが収まっていく始まりの日ということなのです。そのため、立秋以降続く暑さは残暑と呼ばれ、それまでの夏の暑さとは違った呼び方となっています。

 

立秋を過ぎた頃から、夜になると虫の音が聞こえ始めます。場所によってはひぐらしが鳴きだします。また、陽射しの強さに陰りを感じたりすることもあります。

 

夏から秋に向けて少しずつ季節が動いていくのを感じることができるのもこの時期の特徴といえるかもしれません。

 

立秋の行事

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立秋という理由で行われる行事はないようです。しかし、立秋の時期に重なる行事はあり、代表的なものがお盆です。

 

8月13日から16日にかけて行われるお盆は、なくなった先祖の魂をお迎えし、再びお帰り頂く行事です。迎え火、送り火としてオガラを焚き、盆棚をしつらえてお供えをし、盆提灯を飾ります。

 

きゅうりやなすに割りばしなどで足を付け、馬や牛に見立てた飾りを作りお供えするのもお盆の行事として有名です。

 

また、盆踊りも開催され、地域の交流の場となっています。

 

ちなみに、行事ではありませんが、暑中見舞いが残暑見舞いとなるのは立秋以降です。暦上の秋になることで暑さの呼び方も残暑に変わるわけです。

 

立秋の使われ方

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立秋は時候の挨拶として手紙の書き出しに用いられます。また、俳句の季語としても使われます。

 

俳句の季語として使われる場合には、傍題として、秋立つ、秋来る、秋に入る、今朝の秋といった言葉があります。

 

まとめ

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立秋は秋の始まりを表す言葉ですが、実際には暑い日が続いており、大暑の時期よりも気温が高い日も多くみられます。しかし、この日を境にして徐々に暑さも収まっていき、秋の気配を感じ始める時期でもあります。

 

感性をいつもより鋭くすることで、目に見えない秋を探す楽しみを味わうことができるのが立秋の時期といえるでしょう。