季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

秋分とは何か?二十四節気を解説!

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秋分といえば、お彼岸やお墓参り、といった言葉が頭に浮かぶという方は多いのではないでしょうか。また、単に秋分の日という名前の祝日と考える方もいると思います。

 

実は秋分とは季節の移り変わりを表す二十四節気のうちの1つです。次の寒露までの間の約15日間を秋分と呼んでいるのです。

 

また、秋分の日は夜と昼の長さが同じとなります。さらに秋分の日を含めた前後7日間は秋のお彼岸の時期にもあたります。

 

このように、秋分はいくつもの意味を含んでおり、二十四節気のなかでも特徴のある言葉といえるでしょう。

 

ここでは、そんな秋分について解説していきます。

 

秋分の意味と時期

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秋分二十四節気の1つです。

 

二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことです。私たちの先祖は、春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分して全体を24に分け、それぞれに名前をつけて、日々の暮らしの指標としました。

 

秋の部は、立秋処暑、白露、秋分寒露霜降の順に並んでおり、秋分はそのうちの4番目の時節です。

 

秋分の日取りは毎年変わりますが、基本的に9月23日頃から10月7日頃までがその時期にあたるとされています。

 

2024年の秋分は、9月22日から10月7日までです。

 

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように秋分の頃から日中の暑さも徐々に収まり、秋の気が満ちてくる時期です。

 

また、秋分の初日は昼と夜の時間が同じとなり、この日を境にだんだんと日中の時間が短くなっていきます。反対に夜の時間が長くなってくるため、「燈火親しむ」秋へと季節も移っていくのです。

 

さらに秋分の日は国民の祝日となっています。太平洋戦争前は、この日は秋季皇霊祭が行われ、祝日とされていました。戦後、「祖先をうやまい、なくなった人をしのぶ日」とされて、あらためて国民の祝日となったのです。ちなみに、皇霊祭とは皇室の祭祀で、戦前は春と秋に行われていました。なお、春に行われる祭祀を春季皇霊祭と呼び、秋季皇霊祭とともに現在も皇室の行事として行われています。

 

秋分の行事

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秋分の行事といえば、秋のお彼岸です。秋分の日を中心とした前後7日間は彼岸の時期とされ、秋分の日を彼岸の中日、その3日前を彼岸の入り、3日後を彼岸明けと呼んでいます。

 

昔から日本では西の方角に西方極楽浄土と呼ばれる場所があり、そこにはなくなった先祖がいるとされ、この場所を彼岸と呼びました。これに対して私たちが住む世界は此岸と呼ばれています。

 

彼岸の中日となる秋分の日、太陽は真東から昇り真西に沈みます。このとき、昼と夜の時間の長さは同じとなるのですが、この事象をもって日本では秋分を先祖のいる彼岸と私たちの住む此岸とが通じやすくなる日とされてきました。

 

そこで、秋分の日には先祖を供養するためにお墓参りや法要を営むようになり、その行事をお彼岸と呼んでいるのです。

 

また、彼岸にはなくなった先祖をしのぶだけではなく、自身の悟りを開くための修行の時期といった意味も含まれているとされています。彼岸が7日間もあるのは、修行を行うための期間とされるのです。

 

修行というと何がなし構えてしまいますが、自分自身の生き方を振り返ってみる機会と考えるのもよいかもしれません。

 

なお、秋のお彼岸にはお萩をお供えするのがならわしです。もち米にあんこをのせただけの素朴な食べ物ですが、同じ食材でありながら、春のお彼岸と秋のお彼岸とでは呼び方が違っています。

 

春はぼた餅、秋がお萩と呼ばれているのです。理由は、春は牡丹の花、秋は萩の花と、それぞれの季節の花にちなんだ名前がつけられているからです。

 

まとめ

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秋分は季節の変わり目、昼と夜の時間が同じとなる日、秋の彼岸の中日と様々な意味合いをもった時節です。

 

また、暑さも一段落し、秋の涼しさを実感できる時節でもあります。お出かけにはちょうどよいときかもしれません。