季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

小寒とは何か?二十四節気を解説!

f:id:Dichter:20210830161119j:plain

小寒は、1年でもっとも寒さが厳しいとされる大寒に入る前の時節になります。いわば、厳寒を迎えるためのウォーミングアップの時期といえるでしょう。

 

正月休みも終わって、仕事や学校が始まります。また、寒風の中、厚手のコートやジャケットに身を包んだ人たちが街を行き交う姿を日常的に目にする時期でもあります。

 

鏡開きや成人式、さらには小正月と呼ばれる旧暦の正月が行われるのもこの頃です。

 

ここでは、そんな小寒について解説していきます。

 

小寒の意味と時期

f:id:Dichter:20210830161138j:plain

小寒とは二十四節気の1つです。二十四節気の次の時節である大寒と対になっており、小寒に入ったその日を「寒の入り」と呼びます。寒の入りから立春前日までを「寒」と呼び、立春となったその日を「寒の明け」をいいます。

 

小寒大寒を合わせた約30日間を「寒」と呼んでいるのです。小寒はその前半にあたります。

 

なお、「小」という字は、大寒よりも寒さがきつくないという意味で使われているのではありません。これからますます寒くなりますから注意しましょう、という意味がそこには含まれているのです。うがい、手洗いはもちろん、マスクの着用も忘れずにして風邪などひかないようにしたいものです。

 

ちなみに、二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことをいいます。春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分して全体を24に分け、それぞれに名前をつけて、日々の暮らしの指標としたのです。

 

もともとは古代中国で発祥した暦なので、日本の気候とはあわないところも多くありました。そのため、日本人はそれを日本の気候に合わせて改良して使ってきたのです。

 

冬の部は、立冬小雪、大雪、冬至小寒大寒の順に並んでおり、小寒はそのうちの5番目にあたります。

 

小寒の時期は、基本的に1月5日頃から1月19日頃までとされていますが、年によっては1日ないし2日程度の違いが生じます。

 

二十四節気は太陽の動きを基準にして作られた暦であるため、その日取りには毎年いく日かのずれが生じます。そのため、小寒の日取りも、そのずれに応じて決まるのです。

 

ちなみに2025年の小寒は1月5日から1月19日までとなります。

 

小寒の行事

f:id:Dichter:20210830161238j:plain

小寒の頃に行われる行事には、成人式があります。また、正月行事として七草粥や鏡開きも有名です。さらには、旧暦の正月を祝う小正月もこの時期に行われる行事となります。ここでは、成人式、七草粥、鏡開きについて解説します。

 

成人式

成人式は子どもから大人になったことを祝う行事です。昔は、男性の場合は元服、公家の女性の場合は裳着と呼ばれて、身に付ける着物を子ども用から大人のものに改めることが行われていました。

 

着物を変えることが、大人になったことを示すものとされたのです。現在でも成人式を迎えると、男性は和服、女性は振袖を着る人が多くいますが、その由来はここからきているのです。

 

現在では、毎年1月第2月曜日が成人の日と定められており、この日には自治体ごとに20歳を迎えた成人を祝う行事が行われます。ただし、少子化や地域の過疎化といった社会情勢の変化から自治体によっては日を変えて行うところもみられます。

 

なお、振袖には厄除けの効果があると信じられてきました。「袖を払う」仕草が厄を払うことと結びつき、成人式を始めとする人生の節目には振袖を着るとされてきたようです。

 

七草粥

七草粥は毎年1月7日に無病息災、健康長寿を願って食べるとされる行事です。1月7日は人日(ジンジツ)の節句といって季節の変わり目ごとに幸せを祈願する五節句の1つとなります。

 

この日に七草と呼ばれる7つの野菜をお粥といっしょに食べることで厄を払い、健康になると考えられてきたのです。

 

七草とは、セリ、ナズナゴギョウハコベラホトケノザスズナ(蕪)、スズシロ(大根)のことで、春の七草とも呼ばれています。

 

これらの野菜にはいずれも消化促進の効果があるといわれており、暮れから正月にかけて酷使した胃腸を整えるのに適しています。この意味からも健康を願う行事として七草粥が庶民の間に定着してきたといわれているのです。

f:id:Dichter:20210830161257j:plain

 

鏡開き

鏡開きとは、正月に歳神の依代として備えていた餅を食べることで歳神のもつ霊力を自分の身に取り入れようとする行事です。歳神の霊力を身内に取り込むことで福を呼び込もうとしたのです。

 

鏡開きが行われるのは1月11日とされていますが、土地によっては違う日に行われる場合もあり、全国一律に決まっていません。

 

歳神に供えた丸餅を木槌などで叩いて砕き、お雑煮やお汁粉、かき餅などにして食べます。このとき、包丁で餅を切ってはいけないとされています。鏡開きは、もともと武家の行事から始まっており、餅を切る、というのは切腹を連想させるとして忌まれてきたからです。

 

まとめ

f:id:Dichter:20210830161105j:plain

小寒は、大寒に向けて厳しくなっていく寒さへ備えを固める時期です。七草粥の行事も体調を整えて寒さに立ち向かうという意味があります。

 

体調管理をしっかりして厳しい冬を乗り越えていきましょう。