季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

夏至とは何か?二十四節気を解説!

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夏至二十四節気の1つで、夏の部の4番目にくる節気です。夏至の初日は1年のうちでもっとも昼が長い日とされ、太陽の恵みに感謝する夏至祭が日本だけではなく、世界各地で行われます。スウェーデンフィンランドなど北欧諸国の祭りが有名ですが、日本でも二見興玉神社夏至の祭りが行われます。太陽の力を特別なものとみる風習は洋の東西を問わないということなのでしょう。

 

ただし、日本における夏至の期間は梅雨の時期にあたっていて雨が降る日が多いため、昼の時間が長いとはいっても実際の日照時間は長くありません。

 

ここではそんな夏至について解説します。

 

夏至はいつ?

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夏至は毎年6月21日から7月6日頃までをいいます。ただし、日付が特定されているわけではなく、年によって1日ないし2日程度ずれることがあります。その理由は、二十四節気の決められ方によるものです。

 

二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことをいいます。春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分して全体を24に分け、それぞれに名前をつけて、日々の暮らしの指標としたものです。

 

二十四節気は太陽の動きを基準にして作られた暦であるため、その日取りには毎年いく日かのずれが生じます。夏至の日取りもそのずれに応じて決まるため、日付が決まっていないのです。

 

二十四節気の夏の部は、立夏小満芒種夏至小暑大暑の順に並んでおり、夏至はそのうちの4番目となります。

 

2024年の夏至は、6月21日から7月6日までです。

 

夏至の意味

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夏至の期間は前述のとおりですが、そのうち初日については1年を通してもっとも昼の時間帯が長い日とされています。反対に昼の時間がもっとも短いのは冬至の初日です。その日を境に長くなってきた昼の時間が夏至に至って頂点に達し、再び短くなっていく。このサイクルが毎年繰り返されているのです。二十四節気冬至を起点として考えられた暦なので、夏至は1年の折り返し点ということができるでしょう。

 

なお、冬至夏至の2つの節気を合わせたものを「二至」(ニシ)と呼び、これに昼と夜の長さが同じとなる、春分秋分を加えて「二至二分」と呼んでいます。

 

さて、夏至は梅雨の時期と重なるため、昼の時間の長さを実感することはあまりありません。気象庁が公開している1991年から2020年までの日照時間のデータによれば、夏至の時期の日照時間は最大でも4.4時間。ちなみに冬至の頃の日照時間は最大で6.3時間となっています。冬至のときのほうが日照時間は長くなっているのです。

 

夏至は太陽の恵みに感謝する祭りが行われる時期ですが、梅雨の影響で実際の日照時間は冬至のときよりも少ないのですね。

 

夏至の行事

夏至に行われる行事としては二見玉興神社の夏至祭が有名です。また、歴史は浅いのですが夏至の夜にろうそくの光だけで過ごすキャンドルナイトという催しも行われます。

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二見玉興神社

三重県伊勢市にある二見玉興神社では夏至の早朝、海上から昇る太陽を拝する夏至祭りが行われます。神社のある二見浦には鳥居にみたてられた夫婦岩と呼ばれる一対の岩があり、その間を昇っていく朝日を浴びて禊修法が取り行われるのです。

 

禊によって心身ともに浄化されるとされています。

 

キャンドルナイト

キャンドルナイトは、2003年から夏至冬至の日に毎年行われている催しです。「でんきを消して、スローな夜を」を合言葉に、夜8時から10時までの2時間にわたって電気を消し、ろうそくの光のもと、私たちを取りまく環境や社会問題について静かに考えようというのが催しのコンセプトとなっています。

 

いわゆるSDGs運動の一環として「誰ひとり取り残さない社会」の実現について考えるイベントです。

 

まとめ

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夏至は1年のうちでもっとも昼間が長い時間とされる日ですが、梅雨時でもあり、実際の日照時間は短く、太陽を意識することはあまりありません。

しかし、1年の折り返し点という意義はあり、しかもこれは日本だけではなく世界共通の事象です。キャンドルナイト夏至冬至の日に行われる理由も、それらの日が人間の都合とは関係なく、自然の運行によって必然的に到来するところにあるといわれています。

 

夏至の夜には、静かに自分の生き方を振り返ってみるのもよいのではないでしょうか。