季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

葉月は何月のこと?和風月名を解説します

葉月の意味

葉月とは和風月名の1つで、旧暦8月の異名です。旧暦は新暦よりも約1ヵ月遅くなるため、現在でいえば8月の終わりから10月初めの頃をいいます。気象環境が激変している今日ではさほど実感がありませんが、本来ならば空気は澄み、ときによっては朝夕肌寒く感じられることもある時候です。

 

しかし、現在では葉月は新暦の8月を指すものとして使われています。新暦8月は暦のうえでは立秋を迎えますが、まだまだ暑さの盛り。葉月という言葉の持つ秋の風情など望むべくもない、というのが一般的ではないかと思います。

 

なぜこのようなことが起きているのかといえば、和風月名の使われ方に次のような歴史があるからです。

 

1月、2月といった月の和名として知られる和風月名は、旧暦でいうところの月の名前でした。しかし、明治6年1月1日を境にそれまで使われてきた旧暦が新暦に切り替わったときに、和風月名についてはそのまま使われ続けられました。

 

葉月についていえば、旧暦の8月がそのまま新暦の8月にスライドされて使われるようになったのです。いわば、旧暦の表していた時候の特長は無視されて機械的に旧暦の月が新暦のそれに置き換えられたのでした。

 

そのため、現在では本来の言葉の意味から切り離された形で葉月が使われているということができるでしょう。

 

葉月の別名

葉月には別の名前がいくつかあります。代表的なのが「穂張り月」。稲の穂が育って張ってくるところから呼ばれています。また、「葉落ち月」「月見月」「雁来月」などともいわれます。いずれも落ち葉が降りしきる、中秋の名月を鑑賞する、さらに冬を越すために大陸から雁が渡ってくる、といった秋の風情を切り取った言葉になります。

まとめ

葉月は旧暦に従えばとても味わい深い言葉ですが、新暦ではその魅力が半減してしまうような気持になります。しかし、暑い最中に涼しい秋を思う、といった詩を感じることができれば新暦の葉月にも本来の意味とは違った味わいを感じることができるかもしれません。