季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

2023-01-01から1年間の記事一覧

文学に描かれた季節 初夏 『新茶のかおり』田山花袋

『新茶のかおり』は初夏の魅力が横溢した好エッセイです。 「花曇り、それが済んで、花を散らす風が吹く。その後に晩春の雨が降る。この雨は多く南風を伴って来る。」 「躑躅は晩春の花というよりも初夏の花である。赤いのも白いのも好い。」 「初夏の空の碧…

文学に描かれた季節 春 『草枕』 夏目漱石

『草枕』は主人公である画家「余」が「那古井の温泉場」という架空の地で、ヒロイン「那美さん」の肖像を描きあげるまでのあらましを書いた作品です。もっとも、作品の主題は那美さんの肖像を描くことではなく、那古井の温泉場を舞台に、漱石の文明観、美術…

白木蓮

白木蓮の花が満開です。白くて大きな花弁が春の日差しを浴びて咲いているさまを見ると、いよいよ春本番、といった感じが強まります。 実際、今週になってからは朝晩ともにすっかり暖かくなってきました。寒がりの私は部屋のなかでも何枚も重ね着をするのが常…

雛飾り

今日、雛人形を飾りました。いつもは、2月も末になってから飾るのが常なのですが、今年は少し早く飾りました。 本来はもっと早い時期、たとえば、立春になったらすぐに飾るのがよいといわれています。また、遅くとも雨水の時期までには飾るようにするのが一…

早春賦

春は名のみの…で始まる早春賦は、春を待ち焦がれる心を谷の鶯に仮託して描いた唱歌として有名です。 特に春先の天候がはっきりしないときには、 春と聞かねば知らでありしを 聞かばせかるる胸の思いを いかにせよとのこの頃か いかにせよとのこの頃か という…

春光

風は冷たいですが、日差しが暖かく感じられる一日でした。空気は冷たくて、ポケットに入れた手も悴みましたが、建物に射す太陽の光がまぶしいようでした。昨日のNHKのニュースで「光の春」という言葉を使っていましたが、この光景をいうのだろう、と妙に感心…

春寒

今日は午前中は雪が降り、午後は霙となりました。これを書いている今は雨が降っています。面白いもので、午前中はあたたかく、午後のほうが寒くなりました。雪は気温が低くなければ降らないので、午前中のほうが寒いのではないかと思うのですが、実際は違い…

悴む

「悴む」と書いて「かじかむ」と読みます。寒さのために指の先の感覚が麻痺したようになって自由に動かなくなることをいいます。俳句では冬の季語として使われています。 指先に力が入らなくなって、ものがうまくつかめなくなるのは冬、特に、寒の入りから立…