季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

秋天拭うがごとし

「秋天拭うがごとし」とは、国木田独歩の名作『武蔵野』に描かれた秋の情景です。武蔵野の美を叙述するにあたって、独歩が自身の書いた日記を参照しているのですが、その中の一節となります。原文はもう少し長く、 「秋天拭うがごとし、木葉火のごとくかがや…

『二百十日』夏目漱石

夏目漱石の『二百十日』を読みました。主人公の圭さんと碌さんの会話がかけあい漫才のようでとても面白いです。これまで何回か読んでいるのですが、状況の描写がなくても会話だけで十分に作品が成立するということがあらためてわかります。漱石の筆力の成せ…

秋暑し

秋暑しは、秋になってもまだ残っている暑さのことで、俳句の季語となっています。8月の初めに立秋となり、暦のうえではこの日から秋となります。秋暑しは立秋以降に感じる暑さのことをいうのです。 この時期に感じる暑さを表す言葉には、残暑、残る暑さ、秋…