季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

五節句

文学に描かれた季節 冬 『門』夏目漱石

『門』は、主人公宗助が、他人の妻を奪いとった過去の罪と対峙する物語です。このように書くと、宗助と運命との相克といったイメージがわきますが、そうではありません。過去、自分が犯した罪から救われることを願いながら、結局は何もできずに終わる人の姿…

文学に描かれた季節 冬『青年』森鴎外

『青年』は主人公の小泉純一が東京に出てきてから2ヵ月ほどの間の出来事を描いた作品です。時期は10月終わりから翌年の元旦。晩秋から初冬にかけての東京と箱根が舞台となります。 「今日も風のない好い天気である。銀杏の落葉の散らばっている敷石を踏んで…

『ソロー日記 秋』H.G.O.ブレーク編

H.G.O.ブレークが編集したヘンリー・ディヴィット・ソローの日記を読みました。春夏秋冬の季節ごとにまとめられた日記で、今回読んだのはそのうちの秋の部にあたります。9月の末から12月の終わりまでが収録されており、秋から冬にかけてのウォ―ルデン湖周辺…

『二百十日』夏目漱石

夏目漱石の『二百十日』を読みました。主人公の圭さんと碌さんの会話がかけあい漫才のようでとても面白いです。これまで何回か読んでいるのですが、状況の描写がなくても会話だけで十分に作品が成立するということがあらためてわかります。漱石の筆力の成せ…

重陽の節句について 意味と由来を解説

五節句の1つである重陽の節句は、上巳の節句(ひな祭り)や端午の節句のように私たちの生活になじみのある行事ではありません。 しかし、その由来を調べてみると、五節句のなかでも特に重要とされた行事であることがわかります。また、重陽の節句では霊力が…

七夕の節句 意味と由来を解説します

笹の葉に様々な願いを書いた短冊を飾る七夕祭りは、毎年7月7日に行われる年中行事として私たちの生活に根付いています。七夕祭りの由来についても織姫と彦星の伝説が有名です。 しかし、七夕祭りは七夕の節句といって五節句の1つでもあります。五節句は穢れ…

端午の節句とは何?意味と由来を解説します

男の子の健やかな成長を願う端午の節句。毎年5月5日には五月人形を飾り、鯉のぼりをたてて、家族でお祝いをする方も多いことでしょう。 けれども、端午の節句の意味はご存知でしょうか。実は、端午の節句はもともと身に付いた穢れを祓うところから始まったと…

上巳の節句とは?由来とひな祭りとの関係を解説!

上巳の節句とひな祭りとがすぐに結び付くという方は多くはないかもしれません。しかしながら、桃の節句とひな祭りならば、同じ行事だとすぐにわかる方は多いことでしょう。 実は上巳の節句も桃の節句同様、ひな祭りと同じ行事なのです。ただし、もともとは上…

人日の節句とは何か?七草粥との関係はあるのか?

人日の節句と聞いて、その意味がすぐにわかるという方は少ないのではないでしょうか。なかには、桃の節句や端午の節句というのは知っているけれど、人日の節句などは聞いたことがないという方もおいでかもしれません。 実は人日の節句とは七草粥を食べる日と…

節句の意味とは?時期はいつ?

節句はよく聞く言葉ですが、具体的な意味や内容についてご存知の方は多くないのではないでしょうか。また、端午の節句は知られていますが、その他の節句となると、いつ行われるものなのか、といった疑問をおもちの方もいらっしゃると思います。 実は、節句と…