大寒とは何か?二十四節気を解説!
大寒は小寒の次の時節で寒さがもっとも厳しい時期とされています。小寒を大寒に入る前のウォーミングアップの時期とすれば、大寒こそが本格的な真冬ということができるでしょう。
小寒と大寒とをあわせた1ヵ月間を「寒」といいます。この時期には寒稽古や寒中水泳といった寒にちなんだ行事が行われるとともに、寒仕込みと呼ばれる食材が注目を集めます。
寒さが極まる時期に行うあえて行う稽古や、同時期に作られる食材に昔の人は特別な思い入れをもったのです。
ここでは、そんな大寒について解説していきます。
大寒の意味と時期
大寒とは二十四節気の1つです。二十四節気の前の時節である小寒と対になっており、小寒に入ったその日を「寒の入り」と呼びます。寒の入りから立春前日までを「寒」と呼び、立春となったその日を「寒の明け」をいいます。
小寒と大寒を合わせた約30日間を「寒」と呼んでいるのです。大寒はその後半にあたります。
ちなみに、二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことをいいます。春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分して全体を24に分け、それぞれに名前をつけて、日々の暮らしの指標としたのです。
もともとは古代中国で発祥した暦なので、日本の気候とはあわないところも多くありました。そのため、日本人はそれを日本の気候に合わせて改良して使ってきたのです。
冬の部は、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒の順に並んでおり、大寒はそのうちの5番目。冬の部の最後になります。
大寒の時期は、基本的に1月20日頃から2月3日頃までとされていますが、年によっては1日ないし2日程度の違いが生じます。
二十四節気は太陽の動きを基準にして作られた暦であるため、その日取りには毎年いく日かのずれが生じます。そのため、大寒の日取りも、そのずれに応じて決まるのです。
ちなみに2025年の大寒は1月20日から2月2日となります。
大寒の行事
大寒には寒稽古や寒の水にちなんだ食材が作られます。いずれも、1年でもっとも寒さが厳しい時期に行なわれることに意義があるとされた行事です。また、大寒に限らず、寒の時期には寒中見舞いを出す習慣もあります。
寒稽古
寒さの厳しい寒の時期を選んであえて行われる寒稽古には、心身を鍛えるという目的があります。柔道や剣道、さらには空手といった武道で行われているのが有名です。
いずれも技術を磨くよりも、精神面での鍛えを重視して行われています。
ちなみに医学的な見地からは寒擬古は否定されているとのことです。
寒仕込み
寒仕込みとは寒の水を使って食材を作ることをいいます。たとえば、酒、味噌、醤油などが代表的です。寒の時期の水は冷たくて雑菌も少なく、長く保存できるとされていました。また、寒の水には霊力があるといわれており、特に寒に入って9日目にくんだ水は「第九の水」として珍重され、薬として飲まれることもあったのです。
さらに、大寒の時期にニワトリが産んだ卵は「大寒卵」といわれ、金運アップと健康増進の2つの効果があると信じられてきました。
寒中見舞い
寒中見舞いは寒の入り(小寒の初日)から寒の明け(立春初日)までの間に出される挨拶状です。喪中などで年賀状を出せなかったときや季節の挨拶として出すことが多いようです。
なお、寒の時期を過ぎて出す場合は寒中見舞いではなく、余寒見舞いとなります。
まとめ
大寒は小寒と対になって「寒」という一文字で使われることが多い言葉です。しかし、その意味は小寒よりも、より寒さのまさった厳冬というべきものになります。実際、大寒から次の立春にかけての時期がもっとも寒くなるからです。
暖かくして風邪などひかないよう、注意して過ごしてまいりましょう。