季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

芒種とは何か?二十四節気を解説!

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芒種二十四節気の1つで、夏の部の3番目にくる節気です。梅雨入りを控えて、湿度が高くなる憂鬱な季節です。しかし、農家の方にとっては農作物の成長にとって欠かせない時期となります。

 

そのため、その年の豊作を祈る御田植神事を芒種の時期に行う地域もあります。大阪の住吉大社で行われる御田植神事は、この時期の行事として有名です。

 

また、芒種の時期は梅の収穫時期と重なります。梅雨明け後の本格的な夏を乗り切るため、毎日の食事に梅を取り入れる方も多いことでしょう。

 

ここでは、そんな芒種について解説します。

 

芒種はいつ?

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芒種は毎年6月5日から6月20日頃までの15日間をいいます。ただし、日付が特定されているわけではなく、年によって1日ないし2日程度ずれることがあります。その理由は、二十四節気の決められ方によるものです。

 

二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことをいいます。春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分して全体を24に分け、それぞれに名前をつけて、日々の暮らしの指標としたものです。

 

二十四節気は太陽の動きを基準にして作られた暦であるため、その日取りには毎年いく日かのずれが生じます。芒種の日取りもそのずれに応じて決まるため、日付が決まっていないのです。

 

二十四節気の夏の部は、立夏小満芒種夏至小暑大暑の順に並んでおり、芒種はそのうちの3番目となります。

 

2024年の芒種は、6月5日から6月20日までです。

 

芒種の意味

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芒種には稲や麦などの芒(ノギ)のある穀物の種を植える時期という意味があります。

 

芒(のぎ)とは、種子の先端に生える棘状の突起のことです。麦の穂先からは細くて長い針のような物体が生えていますが、それを芒(のぎ)と呼ぶのです。面白いことに、芒は麦にはみられますが、稲にはみられません。それなのに、なぜ芒種の意味が田植を含むものなのかというと、もともと野生の稲には芒があったからなのです。

 

稲の栽培が人工的に行われていく過程で、稲作の煩雑さを軽減するために芒が除去されていったため、稲には芒がなくなったのですね。

 

さて、芒種は田植や麦の収穫の時期を意味すると解説しました。麦の収穫期は6月頃とされており、その点でずれはありません。しかし田植については地域にもよりますが、4月から5月の間には終わるようです。6月は水や肥料の管理を行う時期であり、芒種が意味する田植の時期とは1ヵ月ほどのずれがみられます。

 

これは新暦と旧暦の違いによるものです。新暦は旧暦より約1ヵ月早くめぐってきます。すなわち新暦の6月は旧暦でいうと5月にあたるのです。旧暦が使われていた江戸時代、田植は5月に行われていました。

 

実際に田植をする時期は同じでも、新暦と旧暦という暦上の違いによってずれが生じてしまうのです。

 

芒種の行事

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芒種の時期に行われる行事には父の日があります。

 

父の日

父の日は毎年6月の第3日曜日とされています。母の日に比べるといささか影の薄い感じのする日ですが、家庭を支えてくれるお父さんに感謝する日として大切にしたいものです。

 

母の日にはカーネーションを贈ることが一般的ですが、父の日には黄色いバラを贈るものとされています。日本ファーザーズ・デイ委員会が幸福や明るさの象徴とされる黄色を父の日のイメージカラーとしたことがその始まりです。

 

この他に、父の日に贈るプレゼントとして人気なのはネクタイや財布といった実用的なものやお父さんの好きな食べ物や飲み物などがあります。

 

まとめ

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芒種は、芒のある作物の種を蒔く時期を意味しています。実際には田植が終わり、水や肥料の管理、害虫の駆除など本格的な稲作が始まる時期です。

 

また、梅雨に入るときでもあり、体調管理に注意しなければならない時期でもあります。

梅雨時の憂鬱な季節ですが、体調に良い梅を効果的に取り入れて乗り切っていきたいものです。