小暑は梅雨が明けて本格的な夏の始まる時期を指す言葉です。陽の光も強くなり暑さが実感され始めるときでもあります。
しかし、この時期は梅雨の末期にもあたり、大雨による災害も発生します。
季節の変わり目を感じることができるのが小暑の時期といえるでしょう。
ここではそんな小暑の意味や使われ方について解説していきます。
小暑の意味と時期
小暑は二十四節気の1つです。二十四節気とは太陽の動きを中心にして、春、夏、秋、冬の4つの季節の移り変わりを季節ごとに6つの節気に分けたものをいいます。
このうち夏の部は、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑の6つの節気に分けられており、小暑はそのうちの5番目に当たります。暦の上では毎年7月7日頃から大暑の前日までが小暑の時期となるのです。
2024年の小暑は7月6日から7月21日までとなります。
本格的な夏の暑さが到来する大暑の前にあたる小暑は、梅雨明け前後にあたり、まだ梅雨の寒さと夏の暑さとがせめぎあっている季節です。
さらに、梅雨の末期ですから、大雨による災害が発生する可能性が高い時期でもあります。この時期は南の海上で発達した太平洋高気圧に押し上げられるようにして梅雨前線が北上します。同時に太平洋高気圧のへりに沿って暖かく湿った空気が日本列島に流れ込みます。
そのため、日本上空では雨を降らせる雲(積乱雲)が多く発生。これらがつながったものは線状降水帯と呼ばれて日本各地に大雨を降らせるのです。この大雨が災害を発生させる原因となります。
小暑は大雨による災害が発生しやすい時期ということもできるでしょう。
小暑の行事
小暑の時期に行われる行事には7月7日の「七夕」があります。1年に1度の織姫と彦星の逢瀬にちなんだ七夕の行事は日本全国で行われています。笹の葉に吹き流しや折り鶴など様々な形の飾りや願い事を書いた短冊を下げた七夕飾りはこの時期の名物です。
また、小暑の時期には、冷や麦やそうめん、かき氷といった冷たいものを食べて暑さを忘れる暑気払いという風習があります。
さらに、小暑も終わりとなる7月20日頃には夏土用の時期に入ります。土用とは二十四節気では表現しきれない季節の微妙な変化を表した雑節と呼ばれる節気区分の1つです。
土用は立春、立夏、立秋、立冬となる日の18日前から始まるとされています。夏土用とは立秋の18日前から立秋前日までの期間のことです。
夏土用には、土用の丑の日と呼ばれて暑さに負けないスタミナをつけるためにウナギを食べる風習があります。昔ながらの風習ということで片付けられがちですが、実はウナギが売れずに困っていた鰻屋さんに平賀源内が知恵を授けたのが始まりとされているのです。
宗教上の禁忌とは関係のない、庶民の生活から生まれたものが昔ながらの風習として社会に根付いた好例といえるでしょう。
小暑の使われ方
小暑は、時候の挨拶や俳句の季語として使われています。
時候の挨拶ならば
「小暑の候、みなさまにはお変わりありませんか。」
などという具合に使われます。
俳句ではいくつか例句はありますが大暑ほどではないようです。歳時記によっては傍題にすら掲載されていないものもあります。大暑のようにストレートな暑さを表現している言葉ではないので、取り扱いも微妙なものとなっているのかもしれません。
まとめ
小暑について解説してきました。梅雨の寒さが夏の本格的な暑さへと移行する端境期であるためか、次の大暑ほど頻繁に使われているイメージが少ないのが小暑の特徴といえるのかもしれません。
しかし、季節の境目であるからこそ、自然の微妙な移り変わりを楽しむことができる時期だと思います。