季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

立冬とは何か?二十四節気を解説!

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冬が立つ日と書いて立冬(リットウ)と読みます。「立つ」というのは始まりという意味で、立冬とは冬が始まる日のことをいうのです。

 

また、立冬二十四節気のなかの言葉で、次の小雪までの15日間をさします。立冬には冬になった日と二十四節気の次の節気までの期間との2つの意味があるのです。

 

この時期は、木枯らしや霜柱といった冬の寒さをイメージさせる気象現象がみられる一方で、小春日和と呼ばれる暖かく穏やかな日に恵まれるときもあるのが特徴です。

 

さらに、野山を染める紅葉も最盛期となり、名所と呼ばれる場所は多くの観光客で賑わいをみせます。

 

ここでは、そんな立冬について解説していきます。

 

立冬の意味と時期

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立冬とは二十四節気の1つで、冬が始まる日であり、また冬の最初の時期のことをいいます。

 

二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことです。私たちの先祖は、春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分して全体を24に分け、それぞれに名前をつけて、日々の暮らしの指標としました。

 

冬の部は、立冬小雪、大雪、冬至小寒大寒の順に並んでおり、立冬はそのうちの最初となります。暦上の冬が始まる時期を表す言葉なのです。

 

立冬の日取りは毎年変わりますが、基本的に11月7日頃から11月21日頃までがその時期にあたるとされています。

 

二十四節気は太陽の動きを基準にして作られた暦であり、その日取りには毎年いく日かのずれが生じます。そのため、立冬の日取りも、そのずれのなかで決まるのです。

 

2024年の立冬は11月7日から11月21日までです。

 

さて、立冬は冬が来たことを告げる木枯らし1号が吹く時期でもあります。木枯らし1号は、西高東低の冬型の気圧配置のもと、最大風速8m/s以上の北よりの風が吹いたときに発表されるものです。なお、発表されるのは東京地方と近畿地方だけで、他の地方での発表はありません。

 

なお、木枯らし1号とされる風が吹くのは10月半ばから11月末までとなっており、その時期を過ぎるとその年の木枯らし1号は吹かなかったとされます。

 

また、冬の使者とされる木枯らし1号が吹く一方で、立冬の時期には風の穏やかで暖かな日に恵まれるときがあります。そのような日は小春日和と呼ばれ、散歩にはうってつけの日です。

 

11月から12月上旬にかけては西高東低の冬型の気圧配置がゆるんだり、移動性高気圧の影響で晴天となることがあります。そんな日は風も弱く、気温は上がり、暖かくなります。小春日和とはこのような天気の日をいい、本格的な冬の到来を前に、少し心なごむ日をくれるのです。

 

立冬の行事

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立冬の時期の行事として有名なのは、七五三と酉の市です。また、旧暦10月に全国の神様が出雲に集う神在祭りも行われます。

 

七五三

子どもの健やかな成長を願う儀式として行われる七五三。儀式としては平安時代から行われていたとされていますが、現在のような形になったのは明治時代に入ってからといわれています。

 

毎年11月15日を中心に、対象の年齢となる子どもとともに氏神様にお詣りをするのが一般的で、その後、食事会をする家庭も多いようです。

 

酉の市

開運や招福、さらに商売繁盛を祈って毎年11月の酉の日に行われる行事が酉の市です。もともとは酉の祭と呼ばれたお祭りでしたが、祭りに市が立ち、様々な物が商われるようになってから呼び方が酉の市に変わったといわれています。

 

11月に酉の日が3日ある年を三の酉、2日の年を二の酉と呼び、この日に各地の寺や神社で酉の市が開かれるのです。

 

酉の市の呼び物は熊手です。熊手は落ち葉をかき集めるための道具ですが、それが金銀をかきこむ縁起物として一般に知られるようになりました。最初に小さな熊手を買い、それ以降、年ごとに大きな熊手を買うのが礼儀とされています。これには、年々、商売が繁盛するようにとの願いが込められているのです。

 

神在祭

旧暦10月は全国の神様が出雲大社に集まるため、神無月と呼ばれています。しかし、神様が集まる島根県出雲地方ではその反対に旧暦10月を神在月と呼び、神在祭が行われます。

 

全国から集まった神々は、男女の縁結びを始めとする人生諸般のことどもを神議りという会議にかけて決めるとされており、神在祭はその間行われる行事です。

 

まとめ

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立冬は、冬の気配が近づいてくる時節です。街を行き交う人たちの服装も徐々に厚手のものが目に付くようになります。

 

ただ、そのまま一息に冬になってしまうのではなく、小春日和のように暖かな陽気に恵まれる日もあります。本格的な冬を迎える前の準備期間が立冬ともいえるでしょう。