季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

冬至とは何か?二十四節気を解説!

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冬至は1年のうちでもっとも昼の時間帯が短いとされている日です。国立天文台がホームページで公表している冬至の日の入り時刻をみると、毎年16時30分前後となっています。ざっくりといって、夕方の5時を過ぎればあたりは真っ暗になるのが冬至の時期なのです。

 

また、この時期は12月の終わりにも近く、冷たい風が身に沁みてくる頃です。 

 

その一方で、年の暮れともあって、忘年会やクリスマスなどの行事も行われ、街がきらびやかになる時期でもあります。

 

ここでは、そんな冬至の意味と時期、さらに行事について解説していきます。

 

冬至の意味と時期

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冬至とは二十四節気の1つで、もっとも昼が短く夜が長い頃をいいます。また、この日は物の影が1年でもっとも長くなるときでもあります。二十四節気が作られた中国では、この冬至の日に観測された影の長さとほぼ同じ長さになる日までを1年として数えました。

 

そのため、二十四節気冬至から始まり、冬至で終わるサイクルとなっています。

 

ちなみに、二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことです。春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分して全体を24に分け、それぞれに名前をつけて、日々の暮らしの指標としたのです。

 

もともとは古代中国で発祥した暦なので、日本の気候とはあわないところも多くありました。そのため、日本人はそれを日本の気候に合わせて改良して使ってきたのです。

 

冬の部は、立冬小雪、大雪、冬至小寒大寒の順に並んでおり、冬至はそのうちの4番目にあたります。

 

冬至の時期は、基本的に12月21日頃から1月4日頃までとされていますが、年によっては1日ないし2日程度の違いが生じます。

 

二十四節気は太陽の動きを基準にして作られた暦であるため、その日取りには毎年いく日かのずれが生じます。そのため、冬至の日取りも、そのずれに応じて決まるのです。

 

ちなみに2024年の冬至は12月21日から2025年1月4日までとなります。

 

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さて、冬至になる日は1年中でもっとも太陽の出る時間が短く、万物の衰えがその頂点に達する日とされてきました。このことは裏を返せば、冬至の日を境に万物が再び力を取り戻していくことを意味します。

 

そこで、昔から冬至を「一陽来復」という言葉で呼び、物事が好転していく日として祝ってきました。昼の時間が伸びていくさまを太陽の力が蘇ることとみなして、力をもらおうとしたのでしょう。

 

冬至は、このほかに「冬至冬中冬始め」とも呼ばれ、厳しい冬を迎える時期にあたるともいわれてきました。暦上の冬は立冬から始まり、立春の前日までで終わりますが、寒さはむしろ立春以降が厳しくなります。

 

これは太陽によって地表が温められるとはいっても、そこには一定のタイムラグがあり、言葉のうえでの季節と実際の季節には差がでてくるところから生じる現象です。

 

冬至は暦上では冬の中間にあたりますが、実際にはこの日から本格的な冬の寒さが始まります。次の節気である「小寒」「大寒」とどんどん寒さが厳しくなっていきます。「冬至冬中冬始め」はそのような季節の移り変わりをうまく言い表した言葉なのです。

 

冬至の行事

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冬至の行事といえば、かぼちゃを食べることとゆず湯に入ることというのが一般的といえるのではないでしょうか。また、冬至から次の小寒に至る期間には、クリスマス、大晦日、お正月などの大きな行事が目白押しです。

 

ここでは、冬至当日に行われるかぼちゃを食べることとゆず湯に入ることについて解説していきます。

 

かぼちゃ

冬至にかぼちゃを食べる理由はかぼちゃに含まれる栄養を摂って寒い冬を乗り切るためといわれています。

 

かぼちゃにはビタミンやカルシウム、鉄分といった栄養素が含まれており、疲労回復や免疫力のアップ、さらには老化防止といった様々な効果が期待できます。

 

また、保存がきくため、夏に収穫したかぼちゃは冬至の頃までもたせることができます。昔は、現在のように何種類もの野菜を1年中食べることができた時代ではありません。そのため、栄養価が高く保存のきくかぼちゃを冬至に食べることが行われてきたのです。

 

ゆず湯

冬至にゆず湯に入るのは、「一陽来復」と呼ばれる福を呼び込むための禊の意味があるといわれています。

 

神聖な行事を行う前には斎戒沐浴という決められた儀式を行って身を清めることが行われています。ゆずの香りには邪気を払う効果があるといわれており、冬至にゆず湯に入ることが福を呼び込む禊となると考えられたのでしょう。

 

また、「冬至」と「湯治」、「ゆず」と「融通」といった具合に語呂を合わせた縁起物としての意味もあるといわれています。

 

さらに、ゆずの皮にはビタミンCが豊富に含まれています。湯に浸けることでビタミンCが溶けだすため、その湯に入ることによって美肌効果が期待できるのです。

 

まとめ

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冬至は「一陽来復」の異名のとおり、極限まで弱まった太陽の力が再び力を取り戻していくときです。すべてが良い方向へと向かい始めるときということができます。

 

そのための行事として、冬至にはかぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりすることが行われてきました。年末で何かと気ぜわしいときですが、このような行事を取り入れることで季節を楽しむのもよいのではないでしょうか。