季節の言葉

四季折々の言葉や行事を綴っていきます

清明とは何か?二十四節気を解説!

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清明とは二十四節気の1つで4月初めの春の盛りの頃を表した言葉です。

 

一般的に使われている言葉ではないので、なじみがないという方は多いかもしれません。しかし、本格的な春を迎えた頃の明るくはつらつとした雰囲気を伝える言葉として古くから使われてきました。俳句の季語にも入っています。

 

清明の時期は春本番ということもあって、ピクニックや山菜取りに出かける人が多く見られますし、また、4月8日には灌仏会といってお釈迦様の誕生日を祝う行事も行われます。

 

さらに、温暖化の影響で近年は3月中に終わってしまうお花見も、もともとはこの時期の行事でした。

 

ここでは、そんな清明について解説します。

 

清明はいつ?

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清明は毎年4月5日から4月19日頃までとなります。ただし、日付が特定されているわけではなく、年によって1日ないし2日程度ずれることがあります。その理由は、二十四節気の決められ方によるものです。

 

二十四節気とは、太陽の動きを基に農作業の指標となるように考えられた暦のことをいいます。春夏秋冬の4つの季節をそれぞれ6等分して全体を24に分け、それぞれに名前をつけて、日々の暮らしの指標としたのです。

 

二十四節気は太陽の動きを基準にして作られた暦であるため、その日取りには毎年いく日かのずれが生じます。清明の日取りもそのずれに応じて決まるため、日付が決まっていないのです。

 

春の部は、立春、雨水、啓蟄春分清明穀雨の順に並んでおり、清明はそのうちの5番目となります。

 

2024年の清明は、4月4日から4月18日までです。

 

清明の意味

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清明とは清浄明潔という言葉を短くしたものです。清浄明潔とは「しょうじょうめいけつ」と読み、すべてのものが明るくさわやかに活き活きとしているという意味です。

 

春になって、さわやかな風が吹き、草花が生い茂り、眠りから覚めた生き物たちがいきいきと活動する、そんな様子を表した言葉と言い換えてもよいでしょう。

 

また、清明の時期は高気圧におおわれて晴れた日が多くなります。そこで行われるのがお花見です。満開の桜の下、麗らかな陽をあびて花見客がさざめく様子が各地でみられました。

 

しかし、近年は温暖化の影響により、桜は清明の節気を迎える前に散ってしまうことが多く、花見は清明の前の春分の時期に行われるところが多くなっています。

 

現在では、清明の時期は花見というよりも、ハイキングを楽しむ季節といったほうがよいかもしれません。

 

清明の行事

清明の時期に行われる行事としては灌仏会が有名です。また、沖縄では清明(シーミー)といって清明の時期に親族がそろってお墓参りをして食事を楽しむ習慣があります。

 

清明祭(シーミー)

清明祭(シーミー)は沖縄で古くから行われてきた伝統行事です。毎年、清明の時期に家族で先祖のお墓に集まりお祝いをするというのが行事の内容となります。先祖の墓前に御三味(ウサンミ)と呼ばれる重箱に入った料理を供え、家族全員で食事をするのです。

 

また、清明祭(シーミー)は正月の祝いと同じ意味をもつとされており、家族に不幸があった年には行われません。

 

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灌仏会

灌仏会はお釈迦さまの誕生日を祝う行事で別名を花祭りともいいます。

 

昔、お釈迦さまが生まれたときに龍神が頭上から甘露をそそいで産湯にしたという言い伝えがあります。この言い伝えをもとに行われるのが灌仏会なのです。歴史は古く、日本では推古天皇の時代に始まったとされています。

 

当日は、花で飾られた花御堂と呼ばれる御堂にお釈迦さまの像を安置します。参拝者はこの像の頭から甘茶をかけて無病息災を祈るのです。龍神がそそいだ甘露の代わりに甘茶をそそぐことで言い伝えをなぞらえているのです。また、花祭りという呼び方は、灌仏会が桜の季節に行われるところから明治時代に浄土宗で使われ始めたといわれています。

 

まとめ

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二十四節気清明について解説してきました。麗らかな日差しが降りそそぐ気持ちの良い季節が清明です。山菜取りやピクニックなど、春を満喫しに出かけるのもよいかもしれません。